Endura® Clover® MRAM PVD

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Endura Clover MRAM PVD は、業界初の磁気抵抗メモリ(MRAM)デバイスの大規模な量産(HVM)に向けたインテグレーテッド マテリアルズ ソリューションを提供します。フラッシュメモリは、電荷ベースの動作によりスケーリングの限界に直面しています。MRAMは、抵抗ベースの動作によって半導体メモリに必要な特性、つまり不揮発性、ランダムアクセス性と高い耐久性を持ちながら、よりスケーラブルなため、フラッシュメモリを置換するものとして最も有力視されています。

 

 

Cloverは、プリクリーン、アニール処理、冷却チャンバなど最大7つのウェーハ処理チャンバに加えてオンボード計測機能を備えており、MRAMにおける全ての成膜層の積層が可能です。MRAMでは、積層が30層以上に及ぶことがあり、その各積層膜のほとんどは、わずか数オングストロームという極薄です。その成膜を真空下で行うことができます。真空状態を保つことによって膜の品質が維持され(処理中に装置から取り出され大気開放されると、膜の品質が劣化する)、層間に高品質な界面を形成し、欠陥リスクを低減し、最終的なデバイス性能に欠かせない膜厚の正確さと均一性をin-situで計測することにより精度を向上します。

Endura Cloverの核となるのは、1チャンバにつき最大5種類の異なる材料を優れた均一性で成膜できるチャンバです。これらの材料のいくつかは、これまでCMOS技術では使用されていなかったものです。それぞれの膜の清浄度を確保するため、ウェーハ上の回転シールドは、成膜時に一つのターゲット材のみプラズマ衝撃にさらされます。これにより、デバイスの信頼性に不可欠なレイヤ間の最適なインターフェースが形成されます。デバイス性能を左右する酸化マグネシウム(MgO)のトンネルバリア層は、別のチャンバで成膜されます。このチャンバには化合物をワンステップで成膜するための専用のハードウェアが装備されています。これにより、薄膜の完全性と均一性が向上し、欠陥が最小限に抑えられ、トンネル磁気抵抗(TMR)が改善することによりメモリの読み出し速度が向上します。その後のアニーリング極低温冷却処理によって膜特性がさらに強化され、TMRが向上し、抵抗を下げることによって消費電力を低減し、高い熱安定性が得られデータの保持特性が向上します。

MRAMの複雑な積層構造では、膜厚の精度と均一性の要件が極めて厳しくなります。Endura Cloverはオンボード計測により成膜ごとにクリティカルなMRAM層の厚さを計測・モニターします。ウェーハが真空状態を維持しているため膜特性が劣化せず、極めて高精度(0.2オングストローム)な測定が可能になります。リアルタイムのレイヤごとのモニタリングにより、プロセスの逸脱を迅速に検知し、量産において重要な歩留まりの向上、コスト削減、市場投入までの時間の短縮が可能になります。

相変化メモリ(PCRAM)および抵抗変化型メモリ(ReRAM)デバイス向けApplied Endura Impulse の詳細はこちら